オープンシステム関連情報
各種メディアへの掲載、建物の受賞等、オープンシステムに関する情報です。
 

リフォーム便利帳2004年No.3
  Construction Managementでリフォーム

写真リフォームする人が抱える不安として最も多く挙げられるのが価格の不透明性だ。見積もりに書かれている工事一式とはどこまでを指すのか、会社による価格差は一体なぜか、等々。こんなユーザーの不安を解決する仕組みのひとつにコンストラクション・マネジメント(CM)を介入させる方法がある。住宅リフォームでは、まだまだ一般的ではないCMの方法を紹介する。
写真
 当たり前のことですが建築主は、専門的知識もないし、それに本当の金額もわからない、施工管理
をすることもあり得ません。また工事に何かあったら施主が責任は取れない、色やデザインにも専門
的なアドバイスもほしい、工事後の補償もしてほしい(当然補償は工事を行ったところがやるのだが、
そこが倒産したらこまる)
 しかし、IT時代になり情報が近く、多くもなった現在、合理的にやる方法はないか?と考えると・・
先に書いたようなリスクを1つずつなくしていけば良いのです。
 専門的知識がなければ頼り甲斐のある専門家を一時的に雇えば良い!本当の金額がわからなければ
建築の金額に精通している専門家を一時的に雇えば良い!工事管理ができなければ施工管理の専門家
を一時的に雇えば良い!工事中の問題も補償会社に頼めばいい。今は建築会社も工事保険をかけてい
る時代です。色・デザインも専門家がやってくれる、それにハウスメーカーがやっている10年補償も
元から補償会社がやっているのではないか!
 こんな風に自然に考えて行っているのが諸外国の建築方式です。これを世界的にはCM方式と言っ
ています。

【施主がすべての工事店と直接契約】

 そもそもコンストラクション・マネジメントは建設業界における多重下請け構造を打ち壊すための
システム。建築主が工事全体の主役となって各専門工事会社とダイレクトに契約を結び、コストや行
程をオープンにできる仕組みだ。住宅メーカーや工務店が介在せず、建築主から業務委託を受けた設
計事務所が専門工事店の選定や見積もり分析をサポートする。ここでの設計事務所の役割をCM(C
onstruction Management)と呼ぶ。米国では60年代から住宅建設でもCM
の考え方が普及しているが、日本でもオープンシステムネットワーク会議(事務局・鳥取県米子市、
山中省吾代表)など、設計士グループがCMを使ったオープン・システムを始めている。
 「建築価格の不透明さを一掃するために生まれたシステムなのだからまさにリフォームユーザーの
不安、不満を解消するのにはもってこいのはず」と話すのは仙台市の人気設計士・本間総合計画の本
間貴史代表だ。本間さんは新築はもちろん、リフォームでもオープンシステムによる家づくりを実行
している設計士の一人だ。
 昨年設計依頼された仙台市のリフォーム工事ではオープンシステムを採用した。築25年の中古住
宅で、施主の南大野田さんは物件を買い取ってリフォームし家族4人の住まいとする予定だ。
 もとの図面が存在していなかったため現場調査は困難を極めた。正確な状況を把握しておかないと、
着工してから大幅な工事変更が出ることになってしまう。調査期間は2ケ月。ここから詳しい設計や
工事プランを立てていく。この時点で設計事務所が見積もった予算は合計622万円だった。
 業者を集また見積もり・発信説明会を行い37社から見積もりを取る。見積もりが出揃ったら、業
者を選定。入札に落ちた業者には不合意通知をFAXする。この時に選定業者との価格・内容の開き
も通知する。
 「不合意通知は業者さんにとっても自分の努力がどれだけ足りなかったかを知る目安になります。
いままで付き合いのある会社からだけ依頼を受けてきた会社にとっては新鮮なことでしょう。これを
きっかけにコストダウンの勉強も始めてくださればうれしいことです。」
 しかし、本間氏が考える業者入札システムの一番のメリットはコストダウンではない。それぞれの
業者が元請になって見積もりを提出することで経営と施工面ともに責任感を持たせ、競争原理を働か
せることにある。このため、業者への値切り交渉は一切しない。いわゆる業者タタキとしてコストダ
ウンを狙うと自発的な責任感が失われ、手抜き工事につながってしまうからだ。
 結局、総工事費は567万円で当初の予定より55万円安かった。

                   ★     ★     ★

 CM方式は手間のかかる作業だ。まず初めにCMに適した人を探さなくてはならない。何よりも施
主が率先してリフォームに参加していく意気込みがないといけない。しかし、手抜きをしなければ施
主、施工業者、設計者など参加する人全員の立場を尊重しながら、相当に利益を分配することができ
る。
写真
【南大野田の家 現場では・・・】

 この住宅の一番の欠点は日当たりが悪いこと。南側の一番良い位置にI型のキッチンがあり、採光
経路を遮っていた。そこでダイニングキッチンと、これに隣接する和室を一体化させワンルームにし、
自然光が差し込むオープンな部屋を設けることを第一の条件とした。和室とDKの壁を撤去するには
はりの補強が必要だったが、予算を抑えるためにはりによる補強はあきらめて柱と筋交いを残すこと
にした。見苦しくないよう化粧板でくるみ、インテリアと同一化させている。採光量を補うため、D
Kの一部は吹き抜けにした。
 せっかくの吹き抜けをもっと楽しもうと、建て主の提案で本階段のほかにはしごを設置した2階の
サブリビングから、ダイレクトにダイニングまで下りられるという遊び心だ。吹き抜け部分の棚は圧
迫感が出ないように木製格子で施工。湿っぽい住宅が見違えるほど明るい家に生まれ変わった。
掲載者
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