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『住宅九州新聞』2004年2月27日
60名の建築士が参加〜アミカスホールで研修会
60名の建築士が参加
〜アミカスホールで研修会・オープンシステムの家づくり〜
「工務店やハウスメーカーを介さずに、安くていい家を建てます」−施主と施工業者が直接契約して、中間コストを省く分離発注方式、いわゆるコンストラクション・マネージメント(CM)を提唱する「オープンシステムネットワーク会議」(主宰、オープンネット(株)=鳥取県米子市)が2月13日、福岡女性センター「アミカスホール」(福岡市南区高宮)で、建築士を対象に研修会を行った。参加者は約60名。
オープンシステムとは、業界の「伝統的」多重下請け構造から脱却し、「顧客主導の家づくり」に挑戦しようというもの。建築主が工務店の『社長』になる感覚で、各工事の専門業者との間に契約を結ぶ。業者や材料は、建築士が見積もりをとって選定し、実際の工事を監理する。
『旗揚げから5年。試行錯誤を重ね、少しずつだが確実に実績を残してきた。現在、オープンシステムで建設された住宅や各種施設は、全国で約1000棟を数える。
同会議の主催者である且R中設計社長、山中氏は「最近2〜3年で、オープンシステムに対する業界の反応、周辺環境は、驚くほど変わった」と実感を込める。だが「業界の革命児」から語られる言葉は、意外なほど謙虚だ。
「安易な分離発注は落とし穴がいっぱい。メリット、デメリットを公開することで、いい方向への答えを見つけていきたい」。
オープンシステムでは、設計事務所の力量が否応なく家造りに反映される。コスト管理、業者選定、技術………一人の設計士が契約から完成引渡しまで、すべてを担う。つまり個々の力量が問われると言ってよい。
「通常の設計のみの仕事よりも2倍以上の時間と労力を要する」と山中氏。「しかし、数よりもまずは『いい家をつくること』。その完成物を見れば、顧客はきっとついてくる」と自信も見せる。
実際は、山中設計では外に出かける営業はやっていない。顧客の6割がホームページや本、知人の紹介。現場見学会、内覧会にも力を入れている。
顧客にとって、オープンシステムの最大の魅力は何か。「安くつくる」、それは結果であって目標ではない。明確なコスト、リスクを理解した上で、顧客が「自分が求める家」をとことん追求できるということにある。山中氏はこのシステムを立ちあげたことで「顧客や専門工事業者と直接向かい合い、初めて本当の『設計士』になれた気がする」と語る。
今後の課題は『情報の共有』。「例えば専門工事業者を選ぶ際、それぞれの業者にどんな実績があるのか、取引先はどうかなど客観的に評価する。設計事務所、工事業者間のヨコのつながり、情報交換を活発にしたい」と意欲をみせた。
掲載者
word.co@jcom.home.ne.jp
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