オープンシステム関連情報
各種メディアへの掲載、建物の受賞等、オープンシステムに関する情報です。
 

読売新聞 2002年12月3日 朝刊
  「満足」建てる建築士ネット-注文住宅 従来の2-3割で-


■担当記者より

全国の設計事務所がネットワークを作り、工務店や住宅メーカー を通さないオーダーメードの家づくりが、注目を集めている。設計 を担当する建築士が代理人となり、直接、大工や内装工事、電気工 事業者に発注する方法で、費用を従来よりも抑えられるほか、細か な注文にも答えられる為、顧客の満足度も高まるとしている。
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■「満足」建てる建築士ネット-注文住宅 従来の2-3割で-
  ただし客の判断項目1000件超

「オープンシステム」と呼ばれる、このネットワークは、1992年に 鳥取県内の建築士が提唱し、全国で約250社の設計事務所と約650社の 施工業者が参加して、ノウハウの情報交換や資材の共同購入などをし ている。 特徴は、顧客が一括して工務店や住宅メーカーに発注する従来方式と 異なり、顧客から業務委託を受けた建築士が、本業の設計業務に加え 、専門工事業者の選定や見積もり交渉、工事日程の調整、工事内容の 検査までを手がけることだ。 メンバーの一人で、大阪市住吉区で設計事務所の「日本プランニング」 を経営する中村一幸さん(50)は、「一括方式と違って、工賃や材料費の 明細はオープンです。従来のように系列の下請けに出す経費や宣伝広告 費など、目に見えない経費が上乗せされることもない。」と利点を説明 する。 この「中抜き」方式により、顧客が支払う費用は2-3割安くなるうえ、第 3者の建築士がチェックするので、手抜き工事を防ぎやすくなるという。 建築士側の利点も大きい。不況で住宅着工件数が減少する中、設計料に業務 委託料が加わり、ほぼ2倍の料金を受け取れるので、ネットワークに加わ れる設計事務所は、年々、増えている。また、施工業者も、直接、発注を 受けるので、無理に値引きしなくても済むことから、登録の申し込みが相 次いでいる。 一方、デメリットは、顧客の負担が大きくなることだ。通常ならば、住宅を 建てる前に、間取りをいくつかのパターンの中から選ぶ程度で済む。しかし オープンシステムの場合、建築士は「どんな生活をしたいですか」という質問 から始め、じっくりと設計図を描く。このため、顧客は間取りはもちろん、壁の 材質からドアノブの形まで、1000を超える項目で決断を迫られ、設計図が完成 するまで、2-3ヶ月はかかる。金融機関と住宅ローンの交渉も、自分でやらなけ ればならない。 中村さんの顧客で、大阪市生野区の会社員中山美久男さん(52)は、間口が狭く 、ウナギの寝床のような敷地に、「1階の部屋でも、朝に太陽の光が入る家を 建てたい」と大手メーカーに頼んだが、「規格外で割高になる」と断られた。 だが、オープンシステムでは、極薄の壁を使う特殊な工法で空間を確保し、中庭 を設けて光を取り込むことで解決できた。費用は、他の材料費などを削って抑えた。 中山さんは「設計に7ヶ月もかかったが、材料や家具を自分で探してるうちに楽しく なった。家を『買う』のではなく、『建てる』実感がわいてきた。」と満足そうだ。 大手メーカーブランド力に対抗しこのシステムが今後、普及する為には、面倒でも オーダーメードの満足感を求める顧客を、どれだけ増やせるかが、カギとなりそうだ オープンシステムのホームページはhttp://www.open-net.jp

経済部から

家は3回建てて、やっと満足したものが出来る、と言われてるようですが、ほとんど のサラリーマンにとっては、家を建てるのは、一生に一度のことだと思います。 だからこそ、建てる前には、住宅メーカー側とじっくり話し合い、納得した上で、正式に 契約したいものです。 今回、紹介した「中抜き」のシステムは、顧客、業者の双方にメリットがあると思います。 顧客にとっては、設計の期間が長いという一面はあるものの、自分の意見を細かいところま で反映しやすいし、業者にとっても、収入増加や受注拡大につながります。 不況の為住宅に掛ける費用を抑える傾向が強い中、このシステムに加わりたいという設計事 務所や施工業者が増えているというのも納得できます。今後、どの程度普及していくか見守 りたいものです。
掲載者 日本プランニング一級建築士事務所
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