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朝日新聞[鳥取版] 2001年2月12日
  朝日新聞 本社:06-6231-0131

掲載記事
住宅価格が見える
  合理的な建築方式紹介

素人の建築主には見えづらかった住宅原価が分かりやすい建築方式「オープンシステム」が、住宅業界で注目されている。ネットワーク会社「オープンネット」代表で建築士の山中省吾さん(47)=米子市米原5丁目=らが約2年前に商標登録したシステムで、合理的な建築方式を広く知ってもらおうと、山中さんは「価格の見える家づくり」(コスモ・リバティ社刊)を出版した。

 住宅を建てる時、普通、建築主は元請けの工務店と契約を結ぶ。元請けは下請けに、下請けはさらに孫請けに出す場合にあり、木造住宅だと基礎、仮設、木、かわら、電気、など約20種類もの専門工事がある。それぞれが多重下請け構造になっているため、建築士でも住宅の原価は分かりにくいという。
 山中さんらが提案するオープンシステムは元請けがなく、建築主から受託した建築士が職人選びから現場監督までいっさいを仕切り、各工事ごとに分離して発注する仕組み。建築主は建築士を通じて各工事ごとに見積りを取って価格交渉をするため、建築原価が分かりやすくなると説明している。
 山中さんが1992年、米子市内のレストランの改装工事で実際に試みた例では、工事費が工務店の見積りの75%ですんだという。実際に家を建てた経験などから「元請け抜きで安く家は建つ」と確信し、原価が見えやすいオープンシステムと名付けた。
 98年秋に建築士仲間5人でネット会社を創設、ホームページでオープンシステムの紹介と会員の支援を始め、ネット会員は99年は55社、2000年は101社と増えている。
 山中さんは「オープンシステムは大手建設会社と弱小設計事務所との経済的競争というだけでなく、建築士としてどの道を選ぶかという生き方の競争だ」と話している。
 オープンネット社のホームページは「http://www.open-net.co.jp」。
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