北日本新聞 2006年（平成18年）3月22日　＝談論　自由席＝

　富山のオープンシステム会員より説明会、現場見学会などのお知らせです

	北日本新聞 2006年（平成18年）3月22日　＝談論　自由席＝
	林建築・環境計画事務所代表（一級建築士）林益和

　　価格の見える家づくり

　多くの人にとって、家は一生で一番高価な買い物になると思います。一般的には、工務店やハウスメーカーで見積もりを取り、比較検討することになりますが、その金額が高いのか安いのか、なかなか判断できないのが現状です。実際に工事をする職人さんに支払われる金額がいくらなのかも分かりません。

　そこで、私たち設計事務所は、家の価格がはっきりと分かるようにするため、新たな取り組みを始めました。建築主がすべての専門工事業者（職人さん）に個々に直接発注する方法（施主直営工事方式）です。価格が見えるという意味で、オープンシステムとも呼ばれます。

　これは、設計事務所が建築主に代わり、二十種類ほどの専門業者へ工事を発注する方法です。建具屋にいくら、大工にいくらといった具合に直接職人に支払えば、経費節減にもなります。農産物を農家から購入するように、流通業者を通さず、建築主と専門工事業者が直接取り引きをすることで、互いが「顔の見える関係」になるのです。

　こうした設計事務所は全国で約300社、県内でも10社あり、オープンシステムネットワーク会議（ホームページアドレスhttp://www.open-net.jp）という会をつくって活動しています。直接依頼することは、多少のわずらわしさは伴いますが、設計事務所が計画から完成まで十分サポートするので、面倒さはかなり解消されると言えます。

　最近は、この「価格の見える家づくり」を選ぶ人が増えています。私たちも今後の新しい流れの一つとして、広く世間に認めてもらえるよう、普及に努めています。3月26日には県民会館で「住まいる講座」という勉強会を開きますので、オープンシステムに興味がある方はぜひご参加ください。
（富山市東富山寿町）