昭和初期に立てられ、修繕工事が行われていた加賀市奥谷町の古い民家で二十二、二十三日、内県会が開かれ、昔ながらのはり組などが公開される。 工事を手がけが建築設計事務所「瀬戸設計」(加賀市)に、同業者から家の内部を見たいとの要望が寄せられたためで、施主の同意を得て実施される。 同事務所では初めての試みで、瀬戸高志代表は「古い建物の良さや温かみを感じてほしい」と話している。 古民家は木造二階建て約二百五十平方bで、四月から修繕工事が行われていた。 柱やはり組みをそのまま活用し、床や壁の板の約八割を塗装し直して再利用した。 床板の下にあり、使われていなかったいろりも修復した。 入場無料。
NPO法人の一員として歴史的建物や街並みの保護に取り組んでいる加賀市内の男性が、古民家から出る廃材や資材を保管、提供する施設「古材バンク」を開設した。同市内には築百年を超す住宅も多いが、修繕しようとしても、風情を績なわないような資材を手に入れるのは難しいのが実情である。建物の廃材には使えるものも多く、有効活用していく考えだ。 古材バンクを設けたのは建築設計事務所を経営する瀬戸達さん(56)=加賀市大聖寺南町=。瀬戸さんは本業のかたわら、NPO法人「歴町センター大聖寺」のメンバーとして、伝統的な景観や文化的建築物の保存活動に取り組むなかで、古材を蓄えておく施設の必要性を感じていた。 バンクは同市大聖寺畑町にある空き倉庫を活用した。鉄骨二階建てで、広さは約450平方b。すでに昨年夏に加賀市直下町で解体された住宅から回収した柱や床板、ふすま、ガラス戸などが収められている。 古材には修理に使うだけでなく、洋風建築の内装に和風の味わいを加えるなどの活用も期待しているという。 古材バンクの運営を任されている長男の高志さん(25)は「古い建物を必要としなくなった人がいる一方で必要としている人もいる。双方の要望を結びつけ、資源を有効に使っていきたい」と話している。 写真:古民家から集められた資材を収めた古材バンク=加賀市大聖寺畑町