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はじめに
はじめに
はじめに
(この文章は1997.9全国住宅供給公社等連合会
総務担当者会議で講演したときの一部です)
官民を問わず全ての組織、職業が今の世の中にとって本当に必要なのか、本当に役に立っているのか、ということがしだいに問われだした。今までこうだったから、これからもきっとこうだ、あるいはこうあってほしいという考え方が通用しにくくなった。時代の流れはあらゆる価値体系を再定義、再構築しようという方向へ動き始めた。現実のこの流れに対して、どのような立場の人であれ、例外として避けて通ることは出来ないことだと思う。
私が携わっている建築業界も、静かに、そして着実に変化が始まっている。我が国の建設市場は戦後半世紀、世界に例を見ない驚異的な勢いで拡大を続け、巨大市場に成長した。その中で設計事務所、ゼネコン、工務店、専門工事会社、建材メーカー、建材販売店等がそれぞれの役割を担い、バランスを保ってきた。
ところが近年、時代にそぐわないいろいろな矛盾が指摘されだした。例えば実勢単価を把握出来ない設計事務所が、本当にクライアントの要望に応えることが可能なのか。また、実体としてはそれぞれの専門工事会社に外注(下請けに出す)しなければ成り立たないゼネコンや工務店が、元請けとして工事を一括で受注することが本当に最適な方法なのか、他に方法は無いのか、というようなこと等が指摘されだした。
これらのことに対して設計業界、施工業界の立場から、あるいはクライアント(発注者)の立場から、時代の要望に対応するための、新しい発注形態や手法の研究が活発に行われ、全体からみるとまだごく一部の動きではあるが、具体的な事例も現れだした。
私の事務所が取り組んでいる『オープンシステム』という手法も、我が国における先進事例のひとつとして、日本建築学会や日経の専門誌などで取り上げられ、わずかばかりの注目を浴びた。 従って、これまで私の事務所が取り組んできた体験を整理すること、さらに体験を基に建築業界を取り巻く環境や新しい動きをあらためて考え直してみる事は、なにがしかの意義があると思った。
とりあえずこれから書こうとする項目を列記したが、考えがうまくまとまらないところは只今作成中、と表示しておいた。たぶんこれから、いったん書いた部分でも加筆訂正したり、さらに新たな項目が付け加えられていくと思う。
自身の力量も省みないでこのようなことを試みた。意の行き届かないところが沢山でてくることと思う。皆様の暖かいご助言を斯う。
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