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【Q】パッシブ・ソーラー&【A】Re:パッシブ・ソーラー
  [club 355/356/358]

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[club 355] パッシブ・ソーラー
----- Original Message -----
Sent: Thursday, March 08, 2001 9:34 PM
Subject: [club 355] パッシブ・ソーラー


埼玉県大宮市の金井です。

建替えを検討中です。

 南西側に建っている家が、敷地いっぱいに建っているため、
我が家の1階は12月と1月の間、隣家の間から入る50cm程の光の線が通過するだけで、ほとんど日が当たらない状況です。
 このため、1階は一日中暖房が欠かせません。
 但し、2階は一日中日当たりがあります。

 暖房費とエコロジーを考えた場合、パッシブソーラーシステムは魅力的な技術だと考えています。

 そこで質問ですが、
(1)土地の向きが、西に30度ほど傾いています。
 東側と南側は家が建っています。北と西側は公園のため風とうしがあります。

 このような土地向きの場合、効率良くパッシブソーラーシステムを利用する事は可能でしょうか?
 (OMソーラーでは、コンピュータ・シュミレーションを行って詳細検討を行うそうですので、一般論で結構です。)

(2)私と家内は花粉症があり、春はとてもつらい季節です。
 オープンシステムで建てる事ができる「FIZzソ−ラ−システム」や、「OMソーラー」では、
床下の空気循環とヒートマスを巧く利用することにより、室温を一定に保つ工夫をされているとの事ですが、床下に入った埃や花粉が室内に入ってくる危惧は無いのでしょうか?
 又、床下にたまった花粉が1年中室内を循環してしまう、最悪のケースが想像されるのですが、このような事は無いのでしょうか?

 以上、ご教示の程宜しくお願いします。

[club 356] Re: パッシブ・ソーラー
----- Original Message -----
Sent: Friday, March 09, 2001 10:37 AM
Subject: [club 356] Re: パッシブ・ソーラー


初鹿野@エクセル(オープンネット会員)です。

> 建替えを検討中です。
>
>  南西側に建っている家が、敷地いっぱいに建っているため、
> 我が家の1階は12月と1月の間、隣家の間から入る50cm程の光の線が
> 通過するだけで、ほとんど日が当たらない状況です。
>  このため、1階は一日中暖房が欠かせません。
>  但し、2階は一日中日当たりがあります。
>

間取り的に2階をそういう空間にされるのもいいかもしれませんね。もちろん,いろんな健康上の問題もあるでしょうが。

>  暖房費とエコロジーを考えた場合、パッシブソーラーシステムは魅力的
> な技術だと考えています。
>
>  そこで質問ですが、
> (1)土地の向きが、西に30度ほど傾いています。
>  東側と南側は家が建っています。北と西側は公園のため風とうしがあります。
>
>  このような土地向きの場合、効率良くパッシブソーラーシステムを利用する
> 事は可能でしょうか?
>  (OMソーラーでは、コンピュータ・シュミレーションを行って詳細検討を行う
> そうですので、一般論で結構です。)
>

基本的に太陽熱を活用するためには,いずれのシステムにせよ真南が最適です。
後は,東西にふることによって、その効率が何パーセント落ちて、それがシステムで考えた時に許容範囲にあるのかどうかということになります。
前提として,その土地に向きにそって家を建てた時の話です。
ちなみに、OMは、東西それぞれ20度までは問題ないといわれてますが,東西集熱を実験されているところもあるようです。
ここあたりになると「FIZzソーラー」の集熱パネルの可動性の高さは力を発揮しますね。

それからと、設計の問題ですね。
これは敷地をみないと分かりませんが,土地が30度ふっているから、家もそのまま30度ふってたてなければならないこともないでしょうから。


> (2)私と家内は花粉症があり、春はとてもつらい季節です。
>  オープンシステムで建てる事ができる「FIZzソ−ラ−システム」や、「OMソ
> ーラー」では、
> 床下の空気循環とヒートマスを巧く利用することにより、室温を一定に保つ工夫
> をされて
> いるとの事ですが、床下に入った埃や花粉が室内に入ってくる危惧は無いのでし
> ょうか?
>  又、床下にたまった花粉が1年中室内を循環してしまう、最悪のケースが想像
> されるの
> ですが、このような事は無いのでしょうか?

「FIZzソーラー」については、藤田さんがお答えになると思いますので,OMについてですが,
以前、同様のことを心配されて実験をされた耳鼻科の先生がおられます。
結果は,一般の住宅に比べて非常に少ない花粉の量でした。
その原因は,OMの場合集熱を屋根で行い、空気の気温の上昇にともなって空気が屋根にそって上がってきます。
つまり、非常にゆっくりとしたスピードです。
このときに花粉は自重で落ち、家の中まで持ち込まれないのだろうということでした。
これについては,資料があったと思います。
もちろん、この比較は,換気や生活の仕方等によって大きく左右されるものです。
OMは、窓を開けなくても換気が出来ているといことで、窓から等の花粉の進入が少ないのも理由の一つだと思います。


[club 358] Re:金井さんのご質問
----- Original Message -----
Sent: Saturday, March 10, 2001 6:21 PM
Subject: [club 358] Re:金井さんのご質問


金井様

住環境研究所の藤田です。

私は一年中鼻詰まりなので花粉症には縁が無いのですが
Wifeはかなりのもので、友達の家に遊びに行くと出ないのに
OMの我が家に戻るとひどくなると言うので2、3日前からOMを
この時期では早いのですが夏モ−ドに換えてみました。

結果を聞くと少しはいいみたいと言っておりましたが、今朝、
浜松では珍しく雪が積もり、床が冷たくなって花粉症どころでは
ないようで冬モ−ドに戻しました。床暖房の無い生活には戻れない
ようです。もう少し観察してみますが以下のFITzソ−ラ−開発者の
相曽一浩氏の回答からすると大丈夫そうです。

文章中に出てくる「設計資料のコピ-」を添付出来ないので
ちょっと解り難いですが、ご了承下さい。
(必要であれば連絡ください。FAXします。)

FITzソ−ラ−は5寸勾配以上の屋根にパネルを設置すれば
西に30度の振れは、効率は少し落ちますがパネル自体の集熱効率
が良いので問題ないと思います。

<相曽一浩 WROTE>

ちゃんとした答えになるかどうか分かりませんが、可能な限りお答えします。

(1)西向きの件

@西向き30度の件ですが、別に送付させて頂く
「矢崎のソーラー設計資料のコピー」を見ると良く分かります。
1月、2月頃、大宮付近の1日の水平面日射量は
2000〜2500kcal/u日です。
19ページのグラフの1月のところを見てください。
(一番上のグラフの真ん中と右)
普通の屋根に直接取り付けることをFITzでは考えていますから、
屋根勾配が4寸〜5寸であれば21度〜27度の角度に取り付きます。
いっぱい線があって見にくいかもしれませんが、曲線の右端に傾斜角が
書いてあります。「γ=」と書いてあるところです。(読み方はガンマです)
また、グラフの下の角度は方位角で、真南を0度と考えています。
方位角はα(アルファ)と呼んでいたりします。覚えなくても困りません。
今回の場合は西向き30度ですから、方位角±30を見ます。
それと、γ=20度の線が交わるところを見ると、大体0.95くらい
になっていると思います。
これを日射量倍率Kαと呼んでいますが、(これも覚えなくて良いです)
真南のときに比べて、日射量がどのくらいの割合になるかを計算したものです。
ですから、金井さんの場合は、南面している場合より5%ほど日射量が減ります。
また、お湯採り時期の5月や8月では影響はもっと少ないことになります。
(中段、下段のグラフ)

Aこのグラフを見ていると傾斜角が少ないほうが良いように思われる方が
いると思いますが、間違いが無いようにもう一つグラフを添付しました。
(18ページのグラフです)
このグラフは、下の軸が傾斜角になっています。
大宮あたりでは、45度〜60度が一番有利です。
30度くらいの屋根に設置すれば、水平な設置に比べると1.3〜1.5倍の
日射量が得られます。

Bついでに言っておきますと、@の結果からは西でも東でも変わらないことに
なっています。
これは日射量だけの結果を示しているからです。取れる量ではないのです。
実際には西に向いているほうが、午後にかけて日射量が上がるため集熱量
としては若干有利意になります。
これは、午後のほうが外気温度が上がって、集熱効率が良くなることによる
ものです。

(2)花粉・ほこり

@外から花粉が入ってくることは考えられます。
ただ、OMソーラーの建物でも同じように(というか、いっぱい)入って来ると
思われますが、5月頃になると花粉症の症状はなくなります。(私の場合)
したがって、ずっとこのような症状が続くことはないと考えられます。

Aただ、OMソーラー住宅で花粉症がひどくなった記憶はありません。
OMソーラーの場合では、集熱面での通風速度が遅いので、途中でどこかに
引っかかるか野地板面に落ちてしまうものと思われます。
ちょっと、うろ覚えですが、落下せずに浮遊できる粉塵のレベルは数ミクロン
以下であったように記憶しています。スギ花粉は一般的には、1個で浮遊して
いる時の大きさは20〜30ミクロンで、前記の数倍の大きさです。

BFITzソーラーの場合では、外気取り入れ口は全風量の1/10くらいで
少し少なくなっています。
また、どうしてもという場合は、手動ですが閉じるようにしています。
さらに、吹出し口直後の風速こそやや早いですが、その後の床下の
風速は0.1〜0.2m/sくらいでほこりを立てるような風速ではありません。

CFITzソーラーでは、吸込み口と吹出し口に、それぞれフィルターが付いています。
どちらも床にありますので(掃除しやすい!)、こまめに掃除して頂ければ、ここで
花粉やほこりを集中的に取ることが出来ます。

D花粉などが入らない家というものは、プレハブ冷蔵庫やクリーンルーム
でないと達成できません。

かなり気密の良い最近の住宅といえども、床面積1uあたり5cu程度の隙間
があります。
この結果も、台所の換気扇やトイレ・風呂の換気扇や換気ガラリを目張りして
測った結果です。
このような住宅ですら、一定(一般的な)の風が吹くと住宅内の空気が1時間に
1/5くらい換気されてしまうといいます。
強風ならもっと換気されてしまいます。従ってどんな場所でも花粉が入らない
ことはないと考えられます。

以上長々と書きました。
今から花粉症の治療のために医者に行ってきます。 早々・・・・


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