QアンドA
みなさまの疑問・質問にお答えします。
 

[club 169] 断熱、について
 

----- Original Message -----
Sent: Thursday, December 07, 2000 9:42 PM
Subject: [club 169] 断熱、について


試される大地 北海道の小西です

先日の断熱の件メンバーから質問等
ありましたので補足説明致します。

現在北海道は例年にない時期での大雪です、
朝起きると外に45cm
雪かきするとまた積もって来ると言う状態です。
でも雪が降ると車の騒音や生活の音が吸収され
シーンと静まり返り気持ちがとても落ち着き神秘的です。
また不思議な事に雪が多く積もるとあたたかい
(触ると当然冷たいし、空気は寒いですが)
雪は空気を多く含んでいますので
天然の断熱材ですね。(熱伝導率は知りません)
それでもここ何日かは真冬日(1日中マイナス気温)
が続いています。

考え方はそれぞれですので
ここでは北海道小西の考え方を書きます

気密に関してはさまざまなお考えがありいろいろな
地域での考え方があるようです。
気密が断熱効果に重要なのはカマクラなどが
暖かいのを見るとわかります
最近の住宅を見ると1室ごとに気密するのではなく
開放型の住宅が多く、どこかで常時排気されていれば
室内は負圧となりドア、窓の隙間から外気が
入ってきます。その隙間風が快適性を損なわないような
物であれば、あまり問題なく常時換気されているようです
北海道では2〜3年前から隙間相当面積2cm〜3cmで
問題なく常時換気されると言う考えがなされてます。
この事は室蘭工業大の鎌田さんも言われていますし
北海道寒地建築研究所の研究者が講習会等でも
話されています。
ただしこれは計画換気を使用してでのことで北海道の
計画換気は私も含めて3種換気がまだまだ主流です。
機械を使うのは省エネとはいきませんし他はコスト、
空間設計がまだですが バイメタル利用や排気熱
の利用がある様で新方式が出てくるでしょう。
高気密の競争はR2000がカナダから導入された時
から始まった様でその後ハウスメーカーの気密競争に
換気システムのメーカーや気密部材のメーカーが
拍車をかけたようです。
今では換気システムメーカーも吸気孔の
面積計算2〜3cmで計画します

とか言う私もツーバイで建築するとき内断で1cmは
切って建築しています、こちらの大工はここ十数年の
気密競争でそのような施工が身についた様です。
気密は悪いより良いほうが良いのですし経年変化の
事も考えられますので始めは1cm以下の方がよい
かもしれません。

次に内断と外断の話ですが
それぞれの長短がありますが施工方法を間違えなければ
問題ないと思います。
私が外断を使うのは内断でネオマを入れても意味ないし
材の性質上外断としています
(今のところネオマ以上の性能のものは見ていないのと
                 薄くて取りつけ施工上有利)
コストは断熱性能が違うので比較してませんが
外断のほうが今のところ高価でしょう。
(公庫の高断熱仕様は32kと24kの組み合わせでOK
ですし安価なのでこの場合採用しています。)
(次世代基準くらいになるとネオマのほうが今のところ
良いでしょうか。)
ネオマは去年の2月頃〜使っています
その頃は実験的に使っていましたのでPF−21
という名前でした。
あと内断の場合夏型結露のことが考えられます
(最近ではほとんどないと思いますが)
これは多孔質材からの放出が原因と聞きますので
南、西面の材の温度を下げる目的で通気層の上に
IGサイディングを薦めています。

外断(発泡板状断熱材)の場合経年変化がかなり
気になりますので外断材と構造材の間に防湿シートを
構造の挙動を受けない様1枚入れてます。
また内側の空間には調湿材の目的で予算あれば
炭を入れてます。

木材の結露の件はツーバイの側ネタの部分です
昔からこの部分は補強断熱していますので
問題として発生しないのでしょうか。

*オープンシステムのメンバー紹介のところに
 出していただいている
 陶芸家のアトリエは
 北海道開拓時代の建物を
 テーマに室内デザインと外観は懐かしく
 建築性能は最新鋭のコンセプトとしています
*外断ネオマ50oダブル
(このときは50oしかなっかた)
 全面にすっぽりと重ね外壁、屋根を同じ通気層とし
 屋根タルキを通気層に通しています。
 室内側の中空部には炭充填

*施工資料とコスト計算はまとまっていませんので
 まってください
 実は青嶋さんから6月に頼まれていてまだ
 出来ていません
 青嶋さんごめんなさい。

長いのでこの辺にします。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(株)小西建築工房
代表取締役  小西 永高
千歳市東雲町5丁目60番地
札幌市清田区平岡4条7丁目4−22
TEL FAX 011−882−9536
E-mail : konishi@mb.infosnow.ne.jp
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
掲載者
関連HP




『Index』から選択し、『Go!』をクリックして下さい。
オープンネット株式会社