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[club 146] 連載(3)
 

----- Original Message -----
Sent: Monday, November 27, 2000 10:07 AM
Subject: [club 146] 連載(3)


連載(3)

設計コンセプトの重要性

 「住宅は営業マンがつくっている!」かつてハウスメーカーの
設計をしていた人の話には説得力があった。営業マンが建築主の
希望や要望を聞き、チェックシートに記入する。予算は**、
家族構成は**、所要室1階は**、2階は**…。それを設計部
(外部委託もあるが)に回す。設計者はチェックシートの条件を
満たすように図面を描く。建築主の顔が見えないままに設計は始まる。

 設計者はチェックシートの項目を見ながら、建築主のことを
あれこれと想像する。
「こんなにゆったりした敷地なのに、何故この人は3階建ての住宅を
希望しているのだろうか? この敷地だったら、このあたりに中庭を
取って、そうすると居間はここで…。建築主と直接会って話しが
できるなら、もっといろんな提案を出せるのに…。ま、いいか。
こんなことを考えていたら図面は進まないぞ。ともかくチェックシート
の条件を満たす図面をつくることが先決だ!」

 営業には、また別の思いがある。
「どうやらA社もプランを出しているようだから、急がないと
先を越されるぞ。今回は予算がありそうなので、最初は3,000万円
くらい提示して様子をみるか…。今月中に契約すると5%引き。
これはけっこう受けが良かったから、今後も使えるな…」。

 どのような方向で設計をまとめるのか、何を重視して、何を
断念するのか。ある場合はその家庭(建築主)だけにしかない
特殊な答えを見つけようとする。またある場合は敷地や周囲の環境を
最重視する。設計とはこのように進むべき方向性を絞り込み、
検討していく作業である。ただ単に建築主の要望を聞いて、
作図するだけが設計ではない。

 だから、私たちオープンシステムの設計者にとって、建築主の
顔が見えないままで設計を進めることなど、とてもできない。
「建築主の想いを反映させるため」に始めた手法だから、
設計のコンセプトづくりには特に力を注いでいる。

 実際、設計コンセプトを煮詰めるには建築主と設計者の間で、
何回も対話を重ね、ときには激しい議論もして、あるていどの時間
をかけて熟成させる必要がある。建築主はもちろん真剣に自分の
家のことを考えているが、専門家ではないので見えない部分もある。
だから、専門家によるまったく別角度からの提案が大事になる。
また、専門家の考えを一方的に押し付けることはけっして良い結果
にはならず、それと同じように、建築主の要望をそのまま取り入れる
だけでもけっして良い建物はできない。

 建築主の想いは一人ひとり違う。その人にとっては、とても大切に
したいことがあって当然なのだ。そこに住む人、そこで遊ぶ人、
そこで寝る人が、何故こういうデザインにしたのか、何故こういう
材料を選んだのか、何故こういう部屋をつくったのかを一つひとつ
理解しながら進むことに意味がある。できないことも、採用を断念
したことも、何故できないかの理由を、何故採用できないかの理由を、
家族が理解して家をつくるところに大きな意味がある。

 そして、どの部分にどれだけのお金が使われているのか、どこを
豊かにすればどれだけのお金がかかるのか、どこを断念したらどれだけ
の費用が節約できるのか、こういう資金の流れが建築主にすべて明確に
伝わり、建築主自らが自分の家の重要な決定に参加できることが
大事なのである。

(連載3 終わり 次回をお楽しみに)

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  ■業界常識を打ち破る 顧客主導の建築革命■
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